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小林正観さんのお話から…

小林正観さんの娘さん、慶子ちゃんは身体障がい、知的障がいの両方を抱えていました。

小林正観さんの言葉を借りれば、
「この子は、努力もしなければ、頑張りもしない。才能も空っぽ。
人間は努力しなければ価値がない、という視点で見ればこの子には価値がありません。」

そんな慶子ちゃんですが、小学校六年生の三学期の通知表に、校長先生が『六年生全員の中で、慶子ちゃんほど心を込めてありがとうをいう子は他にいませんでした。』と書いてくださいました。

彼女は「ありがとう」を言うときに、

 

背を立てて言うことはないんですね。

ペチョーッと90度まで、腰を曲げて 

お辞儀をするんです。

 

しぐさがとってもかわいいんですけど、

 

この子が90度まで体を折って「ありがとう」って言う姿は、

 

本当に美しくてかわいいんですね。

 

我が家で一番美しく「ありがとう」って言える人です。

 慶子を見ていると、

 

この子は、人間が生まれながらにして持ち合わせている

 

優しい心を呼び起こすために

 

生まれてきたんじゃないだろうか、

 

と思います。

 

彼女は、ただひたすら、

その役割を果たすために、存在しているかのようです。


この子ができることは

 

「ありがとう」って言ってニコッとする、

 

ただ、それだけです。


 その笑顔を見せることによって、

 

クラスの子どもたちは、

 

みんな優しい子どもたちになっていた。

 

同時に、この子と一緒に過ごしている小林家の人間も優しくなりました。


この子は価値がないんですか?

そうじゃないですよね。


常識からすると、

 

何かを為しとげたり、

 

成績を上げたりすることが、

いいことのように思われています。

もちろん、それも尊い才能ですが、

 

その人が存在していること、

その人その人であることが、

 

周りをものすごく温かくし、

穏やかにし、笑顔にする、

 

そんな存在の人もいるのです。

人間の価値というのは、

 

ありとあらゆる視点に立てば、

 

実に多様に存在しているのであって、

 

努力することを好むのも良いですが、

 

努力だけが価値ではないでしょう。

基本的に、どのような形でいてもいい。


全ての人は、存在するだけで価値があるのです。

 能力者じゃなくてもいい。

 

すごい功績を残さなくてもいい。

 

ただ、そこに、

あなたがあなたでいてくれるだけで いいのです。

(小林正観)

 

 

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