小林正観さんのごえんの法則より…(ごえんとは、縁、円、援、宴、園)
ある病院に入院していた時の話です。
体調を崩して入院していたので、食事は栄養やカロリーに制限がありました。
正直、味気ない食べ物しか出てこない。
退屈な病院での生活は三度の食事が何よりの楽しみですから、余計に辛いのです。
何日か経つと症状が改善され、医師からカロリーを増やしてもいいと許しが出ました。
病院の栄養士さんが選んだのは、朝食のパンとジャムパックを一個ずつ増やすことでした。確かにカロリーは増えたのですが、甘すぎる100カロリーのジャムパックを増やしてもらうのは全く嬉しくありませんでした。
キャベツ、こんにゃく、ヒジキ、大根、豆腐、もやし、モズク、ワカメ、キノコといった低カロリーのものであれば、ある程度の量を摂取できます。
10キロカロリーの野菜を10種類使ったサラダを増やしてくれる方が、ジャムパックが1つ増えるより、格段に嬉しいわけです。
患者に喜ばれる。
どんなジャンルの仕事でも、その道を極めるプロフェッショナルには、「目配り」「気配り「「心配り」が必要です。相手を観察する「目配り」相手の気持ちを読む「気配り」「相手を喜ばせる「心配り」。この三つを兼ね備えているのがその道の達人だと思います。
つまり、この栄養士さんは、「目配り」レベルの仕事でストップしていたのです。
あまりにも安易なカロリーの増やし方だったので、私は栄養士さんにこう言いました。
「プロなら、プロらしい仕事をしてほしい。素人が考えつくようなものでは決して喜ばれませんよ。プロだったら、素人が唸るようなすごいものを考えてください。」
翌日からジャムパックの代わりに、一手間加えた小鉢料理を用意してくれるようになりました。
栄養士さんは患者の意見を素直に受け入れてくれたのです。
医師や看護師とも話し合ったのでしょう。
「気配り」と「心配り」の仕事に気がついたのだと思います。
少なくとも彼女のおかげで、私は、「ジャムパックの悪夢」から開放されました。
(小林正観)
私達も相手(お客様)の立場になって、お客様のご希望に添うような仕事をしていけたらいいと思います。
私達の仕事は、特殊な部分も多いので仕事の内容や仕上がりについては「さすがプロですね!」「お願いしてよかった」とお喜びいただくことも多く、それが励みになったり、やりがいを感じることでもあります。
気配り、心配り…仕事をする上で大切なことだと考えています。
お客様がより便利に、快適に生活していただけるように、お手伝いしていきたいです。